横浜自然観察の森 いきもののにぎわいのある森ブログ

                                 季節の生きものや風景のお話を、日本野鳥の会レンジャーが発信します!

カテゴリ: 鳥のお話

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横浜自然観察の森では秋から春にかけて見られるタカの仲間のノスリ。腹部の茶色の腹巻のような模様が特徴です。個人的に茶色くて真ん丸な頭部と黒目がちな瞳が柴犬を彷彿とさせて、大好きな猛禽類です。
プレゼンテーション1

名前の通り、地面スレスレを飛び、ネズミやモグラなどの小動物を捕まえるのが得意です。着地する事が多いので、尾羽が擦り切れて少しボロボロになっている個体を多く見ます。

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空中に停止するホバリング飛行が得意。逆風が吹いていても翼と尾羽の羽で風を上手に捉えて獲物を探します。

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ヤマアカガエルが産卵する頃になると、低い位置に止まる事が多くなります。しかし、このノスリは目立つ場所にいたので、ハシブトガラスに取り囲まれてしまいました。カラスの仲間は猛禽類を見つけると、モビング(擬攻撃:猛禽類に対する攻撃のような行動)を仕掛ける事があります。カラスの行動や鳴き声をよく観察すると、猛禽類と出会える確率がグンと上がります。

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しつこく攻撃されるノスリに同情しつつ、びっくりした顔が可愛らしいです。まもなく、この森を離れてしまうので、お見逃しなく!


写真・文 おかもと

退勤時に、霊園口のバス停前をあるいていたら
「ヒッ、ヒッ」と鳴き声が聞こえました。
声のする方を見ると、ジョウビタキのメスが、10メートル先の目線よりやや低めの位置にいました。
20200123ジョウビタキ(メス)霊園口階段_中沢s
(資料)ジョウビタキのメスの写真。

何かをついばんでいたので、飛び去った後を確認したら、ヌルデの実を食べていたようです。
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ヌルデはウルシの仲間です。
触るとかぶれてしまうことがあるので、葉がある時期は来園者へ注意喚起をしています。

そんなヌルデの実。なんと野鳥には大人気なのです。
ツグミの仲間が食べている場面によく遭遇します。

春から秋にかけて、触ったら危ない植物として扱っていましたが、冬の間は、野鳥の大切な食糧です。
ヌルデの二面性に感動したできごとでした。

写真・文 まえむー
ジョウビタキの写真 ロビン

森の木は葉もすっかり落ち、寒々しい姿をしていますが、見通しが良くなり、1年間の中で最もバードウオッチングに最適な時期です。少し歩けば小鳥たちの元気な姿がよく観察できます。
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メディアでもよく取り上げられ、すっかり人気者となったシマエナガですが、この横浜自然観察の森にもエナガが暮らしています※エナガとシマエナガは分類的には同種です。
鳥は寒くなると、暖かい空気を逃がさないように羽に含ませて、ふくらんで保温します。写真のようなモフモフなエナガに会えるのは、今のような寒い時期です。

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エナガはせわしなく動き回り、枝先やすきまに隠れる昆虫やクモ等を探していました。幹に水平に止まったり、枝先にぶら下がったり、アクロバティックなその動きは次々と大技を決めていく軽業師(かるわざし)のようです。
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このエナガはインコやオウムのようにぶら下がりながら、脚で何かをつかんで食べようとしていました。
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エナガの「ジュリリ、ジュリリ!」という鳴き声が聞こえたら、しばらく静かに観察してみてください。他の鳥との出会いのチャンスです。エナガの群れにはメジロ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ等の違う種類の鳥がついてきて一緒に行動する事があり、これを混群(こんぐん)と呼びます。5~10羽前後で森の中を広範囲移動するエナガは、他の鳥にも人気です。

可愛らしくて他の鳥まで呼んでくれるエナガは、1日中見ていても飽きない鳥です。

文・写真 おかもと

※エナガの鳴き声はこちらのリンクでご確認ください。

あけましておめでとうございます。
1月5日より自然観察センターは開館しています。
日差しが暖かくハイキング日和で、すでに多くの方々にご来館いただいています。

カウンターにいると、大きな窓越しにこんな方々の来訪もありました。
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雨どいの水を浴びに来たメジロ。

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ツルマサキの実を食べにやってきたウソ。

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枝に止まって休憩中のヒヨドリ。

森は、野鳥などの生きものたちも活発に動いており、ごはんを探す姿や飛び回る鳴き声でにぎやかです。

これからいっそう寒い時期になりますので、散策には温かい装備をお忘れなく。
自然観察センターの中では、この森の間伐材を利用したストーブを焚いています。
散策の小休憩にセンターにお寄りいただき、体を温めながら窓越しに生きものがいないかのぞいてみませんか?

みなさんにとって、生きものとの素敵な出会いや発見がたくさんある年になりますように。
今年もどうぞよろしくお願いします。

文・写真:まつもい

ミズキの谷にあるいたち川の源流では、冬になるとカモが飛来します。
カルガモやマガモは観察頻度が高く、運が良いとオシドリも見られるようです。

ダンスをするように、カルガモが向かい合って頭を上下に振り始めました。

2羽のリズムが揃うと、メスと思われる1羽が姿勢を低くしました。
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よっこいしょ!
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オスが上に乗りました。
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なんと、交尾を始めました!
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10秒ほど背中に乗った後、オスは得意げにメスの周りをぐるりと回りました。

春から初夏にかけて、雛を連れた母鳥が移動するかわいい姿が全国ニュースで取り上げられるように、一般的にカルガモの繁殖期は4月~7月頃と言われています

しかし、今は真冬に差し掛かる12月。この行為は”疑似交尾”と呼ばれ、交尾しても、産卵は行われないと思われます。

春の繁殖期に向け、カモ達は冬季に繁殖相手を探します。疑似交尾を行う事で相性の良い相手を探しているのかもしれません。こういった行動はマガモや他のカモでも観察できます。向かい合って頭を上下に振り始めたら、じっと観察してみてください。

文・写真 おかもと

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