横浜自然観察の森 いきもののにぎわいのある森ブログ

                                 季節の生きものや風景のお話を、日本野鳥の会レンジャーが発信します!

カテゴリ: 植物のお話

朝、横浜霊園前バス停で降りると、ヒヤッとずいぶん冷たい空気を感じるようになり、すっかり冬になったことを実感します。

この時期、霊園口から階段を登って森へ向かう途中、階段の曲がり角あたりで、突然さわやかでちょっとスパイシーな?香りがすることがあります。
その香りの正体は、ミカン科の木のカラスザンショウの実です。地面を探してみると、落ちていました。写真1カラスザンショウIMG_8014
カラスザンショウの実。

紫色に熟した実の中に黒い種子があります。写真2カラスザンショウ種8020

この実には、メジロやヒヨドリなどの小鳥がよく食べに来ます。

よく食べに来るといえば、センターの窓から見えるヤツデにもメジロやヒヨドリがよく食べに来ています。写真3ヤツデIMG_8015
センターの窓から見えるヤツデ。


そんな人気のヤツデの実が気になったので、近づいて観察してみると、、、写真4ヤツデ拡大IMG_8017
なんと、冬だから全部が実だと思っていましたが、
白っぽいのは花でした!。雄しべが細くのびているのが見えます。緑色のは未熟な実です。
メジロは花をかるくつついているように見えるので、花の蜜を食べているようですが、ヒヨドリは実(もしかしたら花も)を丸ごと食べているようでした。

餌となる虫や花が少ない時期は、種子や実、わずかに咲いている花に小鳥がやって来ます。
そんな鳥と食べものの関係が気になった方は、自然観察センターで開催中の「鳥のくちばしと食べもの展」にぜひお越しください。

文・写真:nuka


青空に黄葉が映える朝です。
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度重なった台風の影響で、
ちょっとスカスカしていますが、
それでも綺麗な彩りです。

そして今日は、しんと冷え込みました。
草地に入ると、寒気の溜まったであろう
ところどころに、
霜を被った葉が見つかりました。
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「初霜だね~」と、いつも朝早くから
来園しているボランティアさんとごあいさつ。

そうか、やっぱり初めての霜か!
この冬は見逃さなかったぞ~~と、嬉しくなります。

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もこもこ、モグラが地下から地表へ捨てた
土の上には、霜柱も。
2センチ近くまで成長していました。お見事。

寒い季節の楽しみを思い出した朝でした。

写真・文 かなちん

今日は11月10日ですが、、
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横浜自然観察の森友の会 森の絵本づくりの会が
2001年に発行した絵本「11がつ17にち(水)はれ」
を参考に、森を歩いてみました。
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ほんと、トビも気持ちよさそう。
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みつけた。赤くなったカラスウリの実。きれい・・・
でも緑のしまもようはもう見えない。

絵本に導かれて歩いたタンポポの道。
本の中に紹介されている生き物の、本物と出会えました。
絵本作りの会が作成した本は観察センター内に展示中。
ぜひお手に取ってご覧ください。

文・写真 チョコ


森の景色にしゅーん、しゅーんと
ススキの穂が立ち始めると、
一気に秋らしくなります。

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冬までの長い間、存在感があるものの、
気がつくと綿毛をふくらませています。

この秋はちゃんと「花」を見ようと
意気込んでいました。


ススキの花、見たことありますか?
稲と同じで目立った花びらは持ちません。

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それでも、穂の1本1本を気にすると、
黄色いものがゆらゆら揺れて可愛らしいです。

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黄色く下がるのが、花粉をためた雄しべ。
2つずつ、ごく細い糸でつながっていました。

白いブラシのようなものが、雌しべ。
透き通るような色ですね。


虫眼鏡やカメラを使って
ようやく見えました。

とても繊細なつくりで、
観察にひと手間かける感動がありました。

写真・文 かなちん


森の中では、台風15号の爪痕が多く残っています。
そんな中、ピクニック広場で枝が下に垂れ下がっているヌルデの木を発見!これも台風の影響かな?
近づいてみるとそうではないことがわかりました。
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ヌルデの枝全体がクモ?の糸で張り巡らされ、
葉もボロボロになっています。
さらに近づいてみると...
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そこにいたのはトサカフトメイガという蛾の幼虫。
一心不乱にヌルデの葉を食べています。
黒字にオレンジラインと中々エキゾチックな見た目をしていますね。一つの木に少なくとも10匹はいます!
しかし、人はかぶれることのあるヌルデの葉を食べるなんてこの幼虫は強すぎます。

おっと!
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糸の巣の外にいたのはなんとハラビロカマキリ!
まるで巣から出てくる獲物を待ち構えているような・・・

そんなことを知ってか知らずか、
幼虫たちはヌルデの葉をただひたすら食べ続けていました。

その後、彼らは地中で冬を越し、
来年の初夏にはこの森の中を羽ばたいていることでしょう。無事成虫になってくれることを願うばかりです。

皆さんも同じような木を見つけたら、
手では触れずに注意しながら観察してみてくださいね。

文・写真:ロビン

※ヌルデはウルシの仲間です。
 直接触れるとかゆみやかぶれなどの症状が
 出る恐れがあります。ご注意ください。
 トサカフトメイガの幼虫には毒はありません。

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