横浜自然観察の森 いきもののにぎわいのある森ブログ

                                 季節の生きものや風景のお話を、日本野鳥の会レンジャーが発信します!

2022年07月

ある朝、いつものように自分の席に行くと、デスクの
上に小さな白い玉がコロッと落ちていました。その正体
はなんとヤモリの卵。実は別の日にスタッフが見つけて
置いてくれたそうです。しかしまさかデスクの上に卵が
あるとは思わず、バッグを置いた際に少し当たり、卵に
穴を空けてしまいました。恐る恐る中を覗くと、
残念ながらヤモリは既に死んで干からびていました。
 干からびたヤモリ
卵を見つけたスタッフによると、見つけた時にはもう
ヒビが入っていたとのこと。
 ひび割れた卵
ヤモリの卵は乾燥に弱いため、そのヒビが原因で死んで
しまったのでしょう。このようにヤモリの卵は薄くて
割れやすいです。普通ヤモリは5月から7月くらいの間
に人目のつかない建物の壁などに卵を産み付けます。
もし皆さんが卵を見つける機会があるならば、
その時はそっと見守ってあげてください。

文・写真:アーリン

こちらもお読みください
引き続き感染防止対策にご協力ください

自然観察の森では年に4回、水辺の生きもの調査を行っています。今回は夏の調査です!
さあ、どんな生きものに出会えるでしょう。

ざるで砂や岩、落葉などをすくって・・・
s-IMG20220721104116

いました。ヘビトンボの幼虫です。 s-P6056396
大きなアゴで他の生きもの捕らえて食べるハンターです。
成虫はこんな感じ。少し面影があるような? s-ヤマトクロスジヘビトンボ0190526霊園階段下okubo2
※名前に「トンボ」とつきますが、トンボの仲間ではありません。

他にもカワゲラやガガンボなどの水生昆虫の幼虫を見つけることができました。
どれもきれいな川で見られる生きものです。

次の調査地点へ向かおうとしたその時!
まつもいレンジャーが「ここに何かいます!」と言ったので見ると。茶色い石?いいえ違います。 s-P7216546
大きなモクズガニです。
実はこの森での観察例がとても少ない生きものです。
ハサミや脚に毛がびっしり生えています。お腹の殻が三角形になっているのでオスのようです。
モクズガニは汽水域で産卵し、子供は成長しながら川を遡上します。このカニも河口からいたち川の源流までやってきたと思うと感慨深く感じます。

調査中のまさかの出会いでした。

※園内での生きものの採集・持ち込みは禁止しています。
※危険なため川の中には入らないでください。


文・写真:ロビン
写真:まつもい


こちらもお読みください。
引き続き感染防止対策にご協力ください

夕べから続く雨で、じっとりと濡れる森です。
足元を彩るダイコンソウの、ぱっとした黄色は
こんなお天気でも見ると元気がでます。
DSC_1662

ん?
花びらが6枚あります。
DSC_1646

ダイコンソウはたしか、
こんな5枚花びらだったはず。
DSC_1647

見渡して見ても、ほかの花はちゃんと5枚です。

来た道を戻って、
ひとつひとつ、花をのぞいてまわります。
DSC_1668

1…2…3…


45…46… 


98…99…100…

あ。
DSC_1671
もう一個みっけ。

目につく限りを調べてみると、
196の花のうち2つだけが6枚の花びらをもっていました。

資料を見ても、事情はよくわかりません。
四葉のクローバーのような存在なのでしょうか。

図鑑の言うことがすべてでないのだと、
ちょっとした発見に
ちょっとだけ気分の良くなった朝でした。

文・写真 かなちん


こちらもお読みください。
引き続き感染防止対策にご協力ください。

ある日、センターの中でアーリンと会話をしていました。
ふと、すぐ近くの机に置いてある虫かごに目をやると、蓋に白いかたまりのほこりがついていました。
「こんなにきれいに丸っこくなるんだなぁ」と心の中で思ったところ…
―!?動いた?動いてる!?
Videotogif (1)
(GIF画像のため色彩や動きは実際と若干異なります。)

そのほこり、ぎこちなく、でも確実に前進しているのです。
何か見てはいけないものを見てしまったのか…と動揺を隠せません。
この超常現象をアーリンにすぐさま伝えると、「あ、クサカゲロウの仲間の幼虫ですね。」と即座に教えてくれました。

…よかった。見えてもよいものでした。
お恥ずかしながら、私にとってはこれが「クサカゲロウ」を意識して出会った初めての機会でした。
P7066859_re
クサカゲロウ科の「クサ」は「臭い」からきていて、一部の種類では強い臭気を発するそう。
今回出会った幼虫がなぜほこりに見えたかというと、体にモフモフしたものなどをうず高くつけていたためです。
主に自分の抜け殻や獲物の吸い殻、枯死した植物の破片などを塵として体につけているそうで、カモフラージュして捕食者や寄生者から身を守っていると考えられています。
私も騙されてしまいました…隠れ身の術、あっぱれです。

一方で、塵などを付着させない種類もいます。
ちょうどアーリンが過去のブログで紹介した「スズキクサカゲロウ」がそのタイプです。

違う日に見つけた別の子は、小さな塵を平ためにつけていました。
P7086889_re
付着させるタイプの幼虫も十人十色で、みんな個性豊かです。
今度はどんな形の子に会えるか…私のクサカゲロウの幼虫探しがこの時期の日課になりそうです。

文・写真:まつもい、写真:アーリン


こちらもお読みください。
引き続き感染防止対策にご協力ください。

↑このページのトップヘ