横浜自然観察の森 いきもののにぎわいのある森ブログ

                                 季節の生きものや風景のお話を、日本野鳥の会レンジャーが発信します!

2020年02月

新型コロナウイルス感染予防と感染拡大を防止するため、横浜自然観察の森 自然観察センターは臨時休館します。
利用者の皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をおねがいします。

【休 館 期 間】
令和2年2月29日(土)~3月15日(日)
※状況に応じて延長する場合があります。
なお観察の森園内は利用可能です。

また、臨時休館中の以下のイベントは中止とします。
3/1(日) 季節の森を歩こう
3/8(日) みんなでバードウォッチング
3/11(水) 春のバードウォッチングCafe(申込も締切り)

楽しみにしてくださった皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解・ご協力をお願いいたします。

横浜自然観察の森 自然観察センター

今シーズンは他の場所に比べウソがよく観察できるようで多くの方がウソを目当てに来園されています。

観察センターや園路では「ウソはどの辺りに行けば見られますか?」とよく尋ねられます。

ヘイケボタルの湿地付近やミズキの谷の観察小屋付近などポイントがあったのですが、最近はそこに現れる頻度が少し減ったようです。
レンジャーも巡回などで外に出るとどこかしらかで声を聞くといった状況で、園内全域「神出鬼没」な状態とでもいったらいいのでしょうか。

今朝はウグイスの草地でヤマガラの観察をしていたところ、どこからともなく鳴きながら♂2羽が飛来し、私の7mほど先のウツギにとまり無心に採食していきました。(写真)
USO20200224R

こんなことですからポイントを絞るのがとても難しくなっています。

ご存知の方も多いと思いますが、園内ではサクラの花芽やウツギの実を好んで食べているので、それらを予め探し予測を立てて待ち伏せをしていると、思いがけない距離で遭遇できるかもしれません。

接近しすぎて逃げられたりしないよう、鳥たちにも配慮して観察・撮影をお願いします。

文・写真/かけした

ミズスマシの池にコサギがいました。
水中で片足を震わせて、水底に潜む小さな生き物を追い出して食べていました。
kosagi1
「なにか食べている瞬間が見られないかな?」と観察していると…
なんとヤマアカガエルをつかまえました!
kosagi2
ヤマアカガエルは必死に手や足をバタバタして抵抗。
コサギの細いくちばしには、なかなか収まりません。
kosagi3
何度もヤマアカガエルを水につけて飲み込もうとします。
kosagi4
数分間、悪戦苦闘してなんとか体の半分がくちばしに収まります。
kosagi5
kosagi6
ここまでくればもうあと一息。最後の一口は苦しそうに水で流し込んでいました。
コサギの豪快なお食事風景の一部始終を目撃して、大興奮の数分間でした。

コサギは観察の森では頻繁に見られる鳥ではありません。過去5年間の記録をさかのぼってみても記録があったのは9回のみでした。
しかし、今年はこの様子を見た2/7から続けて
2/8、2/10、 2/11、 2/12、2/15とミズスマシの池周辺で観察されています。
もしかしたら、このコサギはヤマアカガエルをねらって観察の森へ来ているのかもしれません…
今回のように見られることは少なくても、たくさんのヤマアカガエルがごはんになっているのかも…!
ついついそんなふうに思いを巡らせてしまいました。

ここ最近、来園者の方からもよく「コサギを見つけたよ」という声を聴きます。
飛ばさないようにそっと探してみてください。



●動画も覧いただけます。


文・写真・動画:かない

The Wetland water has frozen.
午前11時、センター前の温度計は5℃。
湿地の水は凍っているだろうか、、、、
行ってみると、

P2070115
なんとヤマアカガエルの卵の上に氷が張って
いるではないですか!今年は1月15日に産卵を
はじめて確認しました。3週間近くたち、湿地
は卵塊が覆うほどになっています。
あーー、大丈夫だろうか卵・・・
氷の暑さは1㎝弱といったところでしょうか。
ようやく冬らしい湿地の様子です。

P2070120
湿地の周辺では冬鳥たちの声も聞くことができ
ました。現在湿地とその周辺ではいろいろな生き
物が観察できるため、観察者でもにぎわいます。
生きものも含め、皆さまがお互いに気持ちよく
観察できますよう、ご協力よろしくおねがいいたします。

P2070122

文・写真 チョコ

皆さん前回の「いきもののにぎわいのある森ブログ」はご覧になりましたか?
今回はブログの最後に登場していたヤマアカガエルについてお話ししたいと思います。

ヤマアカガエルは他のカエルと同じように冬に冬眠をします。
ですが、この時期(1-3月)の雨上がり等に一度冬眠から目覚め湿地等の水辺にやってきます。
その理由はただ一つ。運命の相手を見つけるためです!

私は実際に雨が降っている日とその翌日の雨上がりの日にヘイケボタルの湿地に行ってみました。
下の動画はその時の様子を撮影したものです。
耳を澄ませてご視聴ください。


どうでしたか?
雨が降っている日は雨の音や鳥の声しかしません。
ところが翌日の雨が上がった日には「キョロロロ」や「コロロロ」という音が聞こえたかと思います。
この音こそヤマアカガエルの声なのです!
この声はオスがメスを探す時に出すラブコールなのです。
DSCN513
オスはメスを見つけると一目散に抱き着きます。
たまに間違えてオスがオスに抱き着くこともあるみたいですが...。

オスとメスが無事結ばれるとメスが卵のかたまり
=卵塊(らんかい)を産みます。
産卵を終えたカエルたちは森へ帰っていき再び冬眠に入ります。
DSCN5154
一つの卵塊の中には1000個以上の卵がありゼリー状のもので包まれています。
卵塊は次第に水分を吸って大きく膨らんでいき、
気温が上がる2~3月頃になるとオタマジャクシ達の姿が見られるようになります。

今の時期はヤマアカガエルにとって大切な恋の時期です。そっと観察しましょう。


文・写真:ロビン

↑このページのトップヘ