横浜自然観察の森 いきもののにぎわいのある森ブログ

                                 季節の生きものや風景のお話を、日本野鳥の会レンジャーが発信します!

2019年10月

ここ数日雨や曇りが続いていましたが、
今日は久しぶりの晴天です。森の中では、にぎやかで暖かな風が吹いています。さあこんな日は生き物たちとの出会いを求めて出かけてみましょう!
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自然観察センターを出発すると...
いましたいました。
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アカタテハです。
羽ばたかせてから滑空する特徴的な飛び方なので、すぐに見つけられました。翅のオレンジ色がとてもきれいです。彼らはこのまま冬を越すのでしょうか。

もう少し進んでみましょう。

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モンシロチョウやキタキチョウが花の蜜を求めて花から花へ飛び移っています。雨の時に摂れなかった栄養を必死に摂っているのでしょう。
しかし、エサを探しているのは彼らだけではないようです。
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すぐ近くにいたのはオオカマキリ。
こちらをじっと見ていますね。この時間は彼らにとっても貴重です。邪魔をしてはいけません。

そんな姿を見ていたら私もお腹が空いてきました。
そろそろ帰ることにしましょう。

「チッ、チッ、チッ」ん?お腹の音?
いいえ違います。この音はなんともお久しぶりな声ですね。
DSCN4117 - コピー
なんとそこにいたのは、この森では冬鳥のアオジ!
この声と姿、まるで私たちに冬の訪れを教えてくれているかのようです。私に気付いたようで、付かず離れずの一定の距離を保っています。この距離感、今年の初春以来で懐かしいです。

さあそろそろ本当にお腹が鳴り始める頃なので、帰りましょう。

森を散策される際は、
一度自然観察センターへお立ち寄りいただき、
「森のにぎわい掲示板」をご覧ください。

文・写真:ロビン

※「森のにぎわい掲示板」には、
 今見られる生き物の情報が載っています。
 随時更新中です。

観察センターのカウンターに新しい仲間が加わりました!写真1s-アオダイショウ抜け殻20191019とぐろ
写真2s-アオダイショウ抜け殻20191019(125cm)

全長約125cmのアオダイショウの抜け殻です。
ヘビは数カ月に1回、このように脱皮をして成長していきます。

先週、雑木林ファンクラブの活動場所である炭小屋で発見されました。
きれいにつながっています。
おめめもパッチリしています。
写真3s-アオダイショウ抜け殻20191019(頭部)(2)(頭の部分)

かみついたりしないので、カウンターで自由に触っていただいてOKですが、みなさまにかわいがってもらっているとだんだんバラバラになってくるので、やさしく触ってくださいね。
(最初の写真の右上のは先代の抜け殻です。。。)

写真・文 nuka


ここからはお知らせです。
2019年11月14日の「栄区なう!TV」で観察の森やレンジャーのお仕事の様子が放送されます。
https://www.city.yokohama.lg.jp/sakae/kusei/koho/now/

写真5s-PA240624
(撮影風景)
写真4s-PA250650
ぜひご覧ください!

森の景色にしゅーん、しゅーんと
ススキの穂が立ち始めると、
一気に秋らしくなります。

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冬までの長い間、存在感があるものの、
気がつくと綿毛をふくらませています。

この秋はちゃんと「花」を見ようと
意気込んでいました。


ススキの花、見たことありますか?
稲と同じで目立った花びらは持ちません。

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それでも、穂の1本1本を気にすると、
黄色いものがゆらゆら揺れて可愛らしいです。

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黄色く下がるのが、花粉をためた雄しべ。
2つずつ、ごく細い糸でつながっていました。

白いブラシのようなものが、雌しべ。
透き通るような色ですね。


虫眼鏡やカメラを使って
ようやく見えました。

とても繊細なつくりで、
観察にひと手間かける感動がありました。

写真・文 かなちん

台風19号は観察の森にも大きな爪痕をいたるところに残していきました。

コナラの道では一抱えあるようなカラスザンショウとヤマザクラが根こそぎ倒れ園路をふさいでしまいました。

尾根道でも大きな木が倒れかかっていたり、折れた枝がぶら下がっています。

台風15号の時のような通行止めにはしていませんが、園路を通行する際はくれぐれもご注意ください。

touboku
倒れたカラスザンショウとヤマザクラ【コナラの道7-8間】

さて、台風後の園内を巡回していると暑かった夏に比べて、よく鳥たちの声が聞こえるようになりました。

「ヒヨ、ヒヨ、ヒヨ、ヒヨ」とヒヨドリが上空を数羽の群れで移動していくにぎやかな声。南方に渡る群れでしょうか。

「ヒッヒッヒッヒッ、ピュルル」と小声で鳴くのはキビタキ。こちらも渡り途中のようです。

「ツィー」と一声。飛びながら鳴いたのは大型ツグミの仲間。冬鳥のシロハラや渡り途中のマミチャジナイかもしれません。

アキアカネの丘の梢からはモズの「キーィ、キチキチキチキチ」と甲高い声が聞こえてきました。(10月14日撮影)
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どれも秋を感じさせられる声。
いまは復旧作業中に元気をもらえる声でもあります。

文・写真/かけした

台風19号の接近にともない、
10月12日(土)、13日(日)は臨時休館となりました。
土砂崩れや倒木の危険がありますので、
園内の通行もご遠慮ください。

また、通過後も巡回と危険個所への対応に
時間を要する場合があります。
自然観察センターで最新の情報を入手の上
お出かけください。


台風15号関連の記事
9月29日:台風の威力
9月12日:10 years after ?

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