横浜自然観察の森 いきもののにぎわいのある森ブログ

                                 季節の生きものや風景のお話を、日本野鳥の会レンジャーが発信します!

2019年09月


先日の台風は円海山緑地一体に大きな被害を
もたらしました。園内も倒木や土砂の流出等が
おきました。
クイズラリーの題材や、観察対象として多くの方に
親しまれていたモンキチョウの広場にあったあの
「ミズキ」も倒れました。

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あのような大きな木が倒れるなんて、衝撃的でした。

台風は短期間に雨を降らせるため、一気に水不足が
解消されるなどの利点もありますが、一方で森の中
を一辺させる程の変化ももたらします。
倒木や土が流れた後を見ると、その台風の威力を
実感できます。普段あまり感じることが少ない自然の
力ですが、こうした痕が私たちに教えてくれます。


園内はいまコナラの道13~21を通行止め(9/29現在)
にしています。最新の情報はホームページで配信中
です。お越しの際は、一度ご確認くださいますよう
お願いいたします。
文・写真 チョコ


森の中では、台風15号の爪痕が多く残っています。
そんな中、ピクニック広場で枝が下に垂れ下がっているヌルデの木を発見!これも台風の影響かな?
近づいてみるとそうではないことがわかりました。
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ヌルデの枝全体がクモ?の糸で張り巡らされ、
葉もボロボロになっています。
さらに近づいてみると...
DSCN3633
そこにいたのはトサカフトメイガという蛾の幼虫。
一心不乱にヌルデの葉を食べています。
黒字にオレンジラインと中々エキゾチックな見た目をしていますね。一つの木に少なくとも10匹はいます!
しかし、人はかぶれることのあるヌルデの葉を食べるなんてこの幼虫は強すぎます。

おっと!
IMG_2643210
糸の巣の外にいたのはなんとハラビロカマキリ!
まるで巣から出てくる獲物を待ち構えているような・・・

そんなことを知ってか知らずか、
幼虫たちはヌルデの葉をただひたすら食べ続けていました。

その後、彼らは地中で冬を越し、
来年の初夏にはこの森の中を羽ばたいていることでしょう。無事成虫になってくれることを願うばかりです。

皆さんも同じような木を見つけたら、
手では触れずに注意しながら観察してみてくださいね。

文・写真:ロビン

※ヌルデはウルシの仲間です。
 直接触れるとかゆみやかぶれなどの症状が
 出る恐れがあります。ご注意ください。
 トサカフトメイガの幼虫には毒はありません。

先日、たて続けに集中豪雨と台風にみまわれた森。
園内各所で枝折れや倒木があります。
現在、通行止めの園路もありますので、
来園される際には、自然観察センターやHPで園路状況の詳細をご確認ください。

写真1s-02たんぽぽ1-2間倒木
写真2s-20タンポポ7-8間枝折れ①

このような状況ですので、次に来園された時には、
「ここにあったミズキは?」
「あそこのヤマグワは?」
という具合に、
「10年、20年経って、森も変わったなぁ」
というような気分になりそうなくらい、森の様子が随分と変わっていることと思います。

嵐の中で、樹木は倒れてしまったものもありますが、他の生きものたちはどうでしょう?

森を巡回していると、足元や腰くらいの高さからセミがよく飛び出てきます。
いつもはもっと高いところで鳴いていたりするのに、
風雨をしのぐために低い場所に身を潜めていたのか、
風雨にあたって低いところに落ちてきてしまったのか。
とにかく足元からセミがよく飛び出してきます。

生態園を巡回していると、なんだかいろいろな臭いがする気がします。
足元をよく見てみると、

写真3s-IMG_7586赤キノコ
写真4s-IMG_7583キノコ黄色
写真5s-IMG_7579キノコオレンジ
写真6s-IMG_7581きくらげ
写真7s-IMG_7590キノコ茶色

カラフルなキノコたちが!臭いはここからでしょうか?


草地のバッタも大雨で流されていないかと心配でしたが、相変わらず元気なバッタが見られます。
写真8s-IMG_7548クルマバッタもどき
クルマバッタモドキ。

嵐の後でも森の生きものはたくましく生きています。


(文・写真/nuka)


雨あがりの草地にやってきました。
こんな日も虫の観察にぴったりです。
少しひんやりして、虫たちがいつもよりも
じっと、大人しくしています。

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ベニシジミ、はねを広げて
日差しを待っているよう。

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コバネイナゴかな。
逃げません。

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いつもならあっという間に飛んでしまう
トノサマバッタや、クルマバッタも、
手づかみで、ほら。


そして、これは??
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お母さんがチョウで、
お父さんがトンボ…のような組み合わせの体つき。

「ツノトンボ」というウスバカゲロウの仲間。
久しぶりに見かけました。
近づいても、トロトロとだるそうに飛びます。


こんな風に雨あがりに虫を探すときは、
水濡れに強い靴と足首まで裾のある長ズボンで
来てくださいね。


(写真・文 かなちん)


※虫は観察が終わったら、
 もとの場所に返してくださいね。
 この後きっと、仲間を探したり、
 卵を産んだりと忙しいはずです。

※大雨の後は、園内に倒木や土砂崩れが
 発生していることがあります。
 自然観察センターへ状況をお問い合わせください。

デスクワークが多くフィールドで生きものと対峙する時間があまりとれず、少々くたびれ気味の今日この頃でした。
いつの間にか森はジョロウグモの巣が目立つようになってきています。
園路沿いにはられた巣をみると食事中のクモもいて、何を食べているのかと気になりました。

ところが、こちらの巣ではちょっと違った食事風景に出会いました。
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シリアゲムシの仲間がクモの食べ残したカメムシを食べていたのです。
体や羽にクモの糸が絡まないようカメムシの上を移動しながら、食べる部位を少しずつ変えていました。

その背後では巣の主も様子を見ているようです。
糸にかかろうものならすぐにでもとびかかるのでしょうか。
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命がけの食事かもしれませんが、シリアゲムシのしたたかな生き様に感心してしまい、くたびれた心と体にはとてもいい刺激でした。

森にはこんな発見や驚きがたくさん待っています。
皆さんも元気をもらいに森に来てみませんか。

◆本日、隣接施設の「上郷・森の家」がリニューアルオープンしました。
皆さまにはアクセス等ご迷惑をおかけしましたが、駐車場も再開しましたので、また気軽にお越しください。
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文・写真/かけした

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