「あのきれいな木の実はなんですか?」このところ、来園者の方からよくこんな質問をいただきます。
答は、「マユミ」です。
昔、弓をつくるのにこの木を使ったのが名前の由来だそうです。今年は特に実のつきがよいようで、枝がしだれるくらいのいきおいで、まっ赤な実がのぞいています。よくヒヨドリやメジロが、この実を食べにやって来ます。
マユミは葉にも花にもあまり特徴がないのですが、この実を見ると、とても印象深いと思います。ちなみに花の咲くころ(5月下旬)には、こんな様子でした。
「あの花はなんでしょう?」とたずねられたのは、この木。
答は、「クサギの実」でした。
赤い色をした部分は萼(がく)で、花が終わっても残っているのです。そしてまん中にある青い部分が実です。
夏から初秋にかけて咲く花は、白くてよく目だち、アゲハチョウの仲間やハチの仲間がたくさんやって来ていました。そして実ったこの実もまた、鳥たちの好物のようです。先日も、キビタキやメジロがしきりにこの実をついばんで飛び去るのを観察しました。この写真でも実がなくなっているところが見えますね。
鳥に人気といえば、木ではありませんがこのつる草もそうです。
やはりいくつか実が食べられていますね。オレンジ色の黄葉が実の色にマッチして、また美しいのです。ジョウビタキやルリビタキ、そしてメジロなどいろんな鳥が、この実を好んで食べます。
この草の名は「ヘクソカズラ」。
クサギもヘクソカズラも、葉や枝に独特のにおいがあるのでこんな名がつきましたが、じつに美しく色づいています。
この美しさで、鳥たちの目をひきつけ、実を食べてもらって、おなかの中にいる間に種子を遠くに運んでもらうのが、植物たちのねらい。子孫を残すための、渾身のよそおい、といったところでしょうか。
こみなみ