横浜自然観察の森 いきもののにぎわいのある森ブログ

                                 季節の生きものや風景のお話を、日本野鳥の会レンジャーが発信します!

2015年10月

「あっ!カマキリ。」

子どもの指差した先には大きな緑色のカマキリがいました。

ハラビロカマキリ。先週末、センター前での出来事です。s-ハラビロカマキリ200809 (3)

「こわいから、さわってみてよ。」「自分でさわってみなよ」私とのやり取りの末、

彼は、最初指でちょんとさわってから、自分の手で持つことに成功しました。

カマ状の前足に手の甲をひっかかれ「いたーーい!」と叫びながらも持ち続けていました。

その近くには別の個体がうみつけた卵(卵しょう)も発見。ハラビロカマキリ卵のう20101201

 

冬になる前に卵をうみつけるカマキリたち。

草むらや木の枝、時には柱や壁でもみつかります。

センターでは「カマキリの卵をさがそう」というワークシートもご用意しています。

シートを片手にぜひ探しに行ってみませんか?

文:おざき

観察の森は空気がひんやりしてきて、ハイキングには
ちょうど良い季節になってきました。

 

そんな森の中をじっくり観察しながら歩いていると
こんなものを発見。

コメナモミ151015ヘイケ掛下01拡大版

 

まるで、海ブドウ。

毛のようなものの先端に丸いものがついていますね。

 

これは、ある生き物の一部を写したものです。

どんな生き物でしょうか…。

 

 







 

 

ズームアウトすると、この植物の一部でした。

コメナモミ151015ヘイケ掛下01

 

花全体の大きさは2cmくらい。森の海ブドウはこの花の一部なので良く見ないと見逃してしまうかも。

この植物の名前は「コメナモミ」。

 

最初の写真の毛のようなものは、タネが熟すとネバつきます。

そうして動物にくっつき、タネを運んでもらう作戦をとっているのです。

 

確かに道端でみかける植物です。

森を歩く私たち人間も、知らず知らずにタネを運んでいるかもしれませんね。

 

森の中をただ歩くだけでも気持ち良いですが、時には立ち止まって、道端にあるものをじっーくり見てみるのはいかがでしょうか。

 

写真 掛下
文 瀧本

s-コナラ落果20151004霊園前落下後茶変 (2)
先日、低気圧が通りすぎた影響で、それほど大きな被害ではありませんが、森のあちこちで枝が折れたり木の実が落ちたりしました。

どんぐりも青いまま落ちたのが、でも数日で茶色に変わっています。まるでもとから茶色くなってちゃんと落ちてきたような顔をして、道の上にもコロコロころがっています。

ひろってきてじっとながめていると、おなじコナラのどんぐりでも、じつにいろんな形のがあります。どんぐりたちのあいだで、こんないいあらそいに起きても、しかたがないのかもしれません。

 「いえいえ、だめです、なんといったって頭のとがってるのがいちばんえらいんです。そしてわたしがいちばんとがっています。」
「いいえ、ちがいます。まるいのがえらいのです。いちばんまるいのはわたしです。」
「大きなことだよ。大きなのがいちばんえらいんだよ。わたしがいちばん大きいからわたしがえらいんだよ。」
「そうでないよ。わたしのほうがよほど大きいと、きのうも判事さんがおっしゃったじゃないか。」
「だめだい、そんなこと。せいの高いのだよ。せいの高いことなんだよ。」
「押しっこのえらいひとだよ。押しっこをしてきめるんだよ。」

(宮沢賢治「どんぐりと山猫」)

 

いろんな個性があっていい。いろんな個性があった方が楽しい。そんなふうに思います。

 

          (こみなみ)

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