ある日、センターの中でアーリンと会話をしていました。
ふと、すぐ近くの机に置いてある虫かごに目をやると、蓋に白いかたまりのほこりがついていました。
「こんなにきれいに丸っこくなるんだなぁ」と心の中で思ったところ…
―!?動いた?動いてる!?
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(GIF画像のため色彩や動きは実際と若干異なります。)

そのほこり、ぎこちなく、でも確実に前進しているのです。
何か見てはいけないものを見てしまったのか…と動揺を隠せません。
この超常現象をアーリンにすぐさま伝えると、「あ、クサカゲロウの仲間の幼虫ですね。」と即座に教えてくれました。

…よかった。見えてもよいものでした。
お恥ずかしながら、私にとってはこれが「クサカゲロウ」を意識して出会った初めての機会でした。
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クサカゲロウ科の「クサ」は「臭い」からきていて、一部の種類では強い臭気を発するそう。
今回出会った幼虫がなぜほこりに見えたかというと、体にモフモフしたものなどをうず高くつけていたためです。
主に自分の抜け殻や獲物の吸い殻、枯死した植物の破片などを塵として体につけているそうで、カモフラージュして捕食者や寄生者から身を守っていると考えられています。
私も騙されてしまいました…隠れ身の術、あっぱれです。

一方で、塵などを付着させない種類もいます。
ちょうどアーリンが過去のブログで紹介した「スズキクサカゲロウ」がそのタイプです。

違う日に見つけた別の子は、小さな塵を平ためにつけていました。
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付着させるタイプの幼虫も十人十色で、みんな個性豊かです。
今度はどんな形の子に会えるか…私のクサカゲロウの幼虫探しがこの時期の日課になりそうです。

文・写真:まつもい、写真:アーリン


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