横浜自然観察の森には、レンジャーと共に森の保全に取り組む市民ボランティア「横浜自然観察の森友の会」のメンバーが約140名もいます。
それぞれが特技や関心に応じてプロジェクト(PJ)を結成し、普段はグループ単位で活動しています。今回はそのうち、森の生きもののことを「調べる」プロジェクトの活動をご紹介します。
「カワセミファンクラブ」
写真撮影を楽しみながら、園内のチョウ・トンボの生息調査と野鳥の観察を行っています。自然観察センター内の情報コーナー「森のにぎわい掲示板」にも季節ごとの生きもの情報を提供していただいています。また、定期的に写真展を行い、森の生きものの魅力を「伝える」活動にも貢献しています。
写真展設営作業
「PJ-STRIX」
STRIXとはフクロウの学名です。その名の通り、観察の森に暮らしているフクロウのために巣箱を設置したり、繁殖状況調査を行っています。実際の巣箱は自然観察センターに展示しています。
展示中のフクロウの人工巣箱(中に入っているのはぬいぐるみのフクロウ)
「野草の調査と保護」
園内の植物の調査を行い、保全活動に活かしています。希少種を保護したり、外来種の除去作業なども行っています。「森のにぎわい掲示板」にも季節ごとの開花情報などを提供していただいています。
植物保護のための柵を設置中
「定点カメラで動物調査」
森の中に自動撮影カメラを設置し、写った動物の種類や数を調べています。夜行性の動物など、普段出会うことが難しい生きものの様子を知ることができます。
カメラ設置作業
「森のカエル調査隊」
こちらはPJではなく、友の会有志で結成されたグループです。1~3月のヤマアカガエルの産卵時期に合わせて、園内の湿地のカエル類の卵塊数調査を行っています。
カエル卵塊数調査風景
このような調査や観察結果の蓄積から、森の様子や生き物の様子を知る事ができ、「伝える」ことができるようになります。そして自然や生き物を守ることにつながります。
これらの調査や観察結果は、自然観察センターが毎年発行している横浜自然観察の森調査報告に掲載しています。
2020年12月発行の調査報告25
また、チョウの調査、植物相調査、植生図、中・大型哺乳類調査、カエル卵塊数調査は、環境省のモニタリングサイト1000という全国規模の調査にもデータを提供しています。
メンバーは共通して生きもの好きですが、最初から生きものに詳しくなければいけないということはありません。一緒に活動しながら少しずつ詳しくなっていけます。調査という観点から、森を守る活動に参加してみませんか?
※新型コロナウイルス対策として、現在活動やイベントを休止または方法を変更して活動しています。
<友の会に参加するには>
まずは、「森を守るボランティア体験」への参加がおすすめ。施設や友の会のことを知って、やってみたい活動を探しましょう。偶数月の第3日曜日に開催します。自然観察センターHPのイベントのご案内に募集が出ますのでご確認ください。プロジェクトの活動日には見学することもできます。レンジャーまでお問い合わせください。
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