横浜自然観察の森 いきもののにぎわいのある森ブログ

                                 季節の生きものや風景のお話を、日本野鳥の会レンジャーが発信します!

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月8日に鳥のくらし発見隊主催の「みんなでバードウォッチング」が開催されました。

AグループとBグループの2グループに分かれ、横浜自然観察の森の中で、野鳥を探しながら散策しました。

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【ミサゴ】

モンキチョウの広場で双眼鏡の使い方をグループリーダーが説明をしていると、ミサゴが頭上を通過して行きました。足にはなんとボラを掴んでいました。海で捕まえたボラをここまで運んできたようです。どこか安心できる場所でゆっくり食べるつもりだったのでしょうか?

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【トビ】

ミサゴと同じく、タカの仲間であるトビもその直後に現れました。トビとミサゴの下面部や尾羽の違いも間近で観察できたので、それぞれの特徴をじっくりと比べる事ができました。

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【ウミネコ】

その直後にウミネコと思われるカモメ類が3羽、通過して行きました。海や河川の河口部で観察する事が多いミサゴやカモメの仲間を山で見ると不思議な気持ちになりますが、三浦半島の付け根にある横浜自然観察の森は、相模湾と東京湾の両湾を行き来する海鳥の姿を時折、観察する事があります。

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【アマツバメ】
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【エゾビタキ】

見晴らしの良い開けた場所では、南方に向けて渡って行くアマツバメやエゾビタキ等の姿も見られました。モズやハイタカ、集団で移動するヒヨドリも見られ、鳥たちから季節の移ろいを感じました。

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【エナガ】

「ジュリッ、ジュリリリ!」と鳴きながらエナガが枝から枝へ飛び移っていきました。エナガの素早い動きに翻弄されつつも、双眼鏡を使い、かわいらしい姿をしっかり堪能できました。


観察できた野鳥

キジバト アマツバメ ヒメアマツバメ ウミネコ ミサゴ トビ ハイタカ コゲラ アオゲラ モズ ハシボソガラス ハシブトガラス ヤマガラ シジュウカラ ツバメ ヒヨドリ ウグイス エナガ メジロ エゾビタキ ハクセキレイ コジュケイ ガビチョウ ・・・21種+外来種2種=計23種

※鳥のくらし発見隊は観察メインのイベントです。撮影の前に鳥の姿をじっくり行動してみましょう。

文・写真:おかもと


 

「みんなでバードウォッチング」は毎月第2日曜日に開催されており、次回の予定は1112日です。詳細は下記をご確認ください。

横浜自然観察の森おしらせとイベント (sancyokohama.sakura.ne.jp)


横浜自然観察の森では140名もの市民ボランティア「友の会」が活動しています。
野鳥はじめ、野草や昆虫、哺乳類の調査、バードウォッチングの案内、自然ガイドツアー、雑木林の手入れ・・・など。

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それぞれの関心に応じて10のプロジェクトを展開しています。
活動の紹介と体験を通して、自然観察の森と友の会の活動について理解を深めていただきます。
お土産に、オリジナル絵葉書のプレゼントがつきます。

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対象:どなたでも 先着30名(要申込)
※小学生以下は保護者が同伴ください。

先日、草刈りをしていたところ…

「うわぁ、お邪魔します!」
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上手に組み合わせたササの葉の中で、お休み中の虫をみーつけた!
糸を使って、葉っぱをつなげて巣をつくった様子。
葉の緑とのコントラストで、体のオレンジ色がよく目立ちます。
お腹の黒いボーダーのような模様が特徴的。
一緒に作業をしていたかなちんレンジャーにすかさず「コバネコロギス」と教えてもらいました。

その後も黙々と草刈り、集草、草刈り、集草…

と、1歩足を踏み出した時、足元からパタパタと細長い何かが飛び上がりました。
カマキリかなと思いつつ、降り立ったあたりを見てみると…。いない?
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(ピントが合っていないのはご容赦ください…)
それでもよーく見てみると、葉っぱにまぎれて上手に隠れていました。

「みーつけた!なんと、ナナフシ!?」
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この森にいる翅のあるナナフシのなかまは、ニホントビナナフシですが、体に対して翅が小さく、こんなに飛びあがったりはできなかったはず…。
また、前に観察したニホントビナナフシより体が茶色い褐色で細長く、触覚も長いような…。

センターに戻って図鑑をみたところ、正体は「タイワントビナナフシ」でした。
このナナフシは、長距離移動はできないようですが、ニホントビナナフシより長い翅をもっていて、今回みたようにパタパタと翅を使うことができたようです。

コバネコロギスもタイワントビナナフシも、昔は神奈川県で観察されていなかった、近年少しずつ観察されてきている種類のようです。
コバネコロギスは温暖な地域で見られる生きものなので、温暖化の影響で分布が北上したと考えられています。
一方、タイワントビナナフシは人の行動によって移入してきました。
この森にはどのようにやってきたか謎ですが、まさかの収穫にあふれた草刈りでした。

文・写真:まつもい

※この森では、「生きものを持ち帰らない・持ちこまない」がお約束。

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