横浜自然観察の森 いきもののにぎわいのある森ブログ

                                 季節の生きものや風景のお話を、日本野鳥の会レンジャーが発信します!

春の花が咲き始め、森がにぎやかになってきました。

この時期は森の中が見どころ満載ですが、私が注目したいのはこのお花!
DSCN9638この植物はヤハズエンドウ。カラスノエンドウという名で呼ばれることも多いです。

ヤハズエンドウは、アリとの共生関係で知られる植物です。上の写真にも10匹以上のアリが写っています。DSCN9654集まったアリたちが葉や花の付け根で蜜をなめている様子がよく見られます。

虫が花の蜜を吸うという場面はイメージしやすいでしょう。しかし、花ではない場所から蜜を出す植物もいます。カラスノエンドウ花外蜜腺ヤハズエンドウは、托葉という部位から蜜が出ます。このように花以外の部位にある、蜜を分泌する部分を花外蜜腺(かがいみつせん)と呼びます。

 花外蜜腺はいろんな植物に見られ、身近な例ではサクラの葉の付け根にもあります。蜜でアリを呼び寄せ、植物を捕食する虫から身を守ってもらうことが主な目的です。蜜を対価にボディーガードを雇っているということですね。一方で、花の蜜で虫を呼ぶ植物は、花粉を運んでもらうことが主な目的です。

「蜜で虫を呼び寄せる」という一見同じ習性。ですが、その目的が違うことに気づくと、生き物の観察が一層楽しくなると感じます。(写真・文 こでら)

「さっきリスを見ました、かわいかったです!」
観察の森にお越しいただいたお客様から、よくかけていただく言葉のひとつです。

「かわいいですよね、でも、外来種なんです…」
喜んでいらっしゃる方には特に言いづらいのですが、きちんとお伝えしなくてはいけません。

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ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、この森では東南アジア原産の外来種、タイワンリスがとても多く生息しています。人によって飼育目的で日本に持ち込まれたものが近隣地域で逃げ出して野外で繁殖し、分布を広げているものと思われます。

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今、観察の森ではオオシマザクラやヤマザクラといった野生のサクラの開花がピークを迎えており、自然のお花見を楽しむことができます。
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この森の春の風物詩、オオシマザクラ。
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観察の最中、足元をよく見ると花びらではなく、花ごと落ちてしまっている場所がありました。これはタイワンリスが行った「盗蜜」の痕跡です。リスが蜜をなめる際に花を落としてしまうので、サクラは受粉・結実の機会を失ってしまいます。

外来種による課題は色々ありますが、ただ悪者にするのではなく、「何がよくないのか、どんな影響があるのか」をしっかり考えるために、まずその生態を知ることが大切なのではないかと思います。

そんなタイワンリスですが、先日NHKの番組「ヴィランの言い分」の取材がありました。
この森で撮影された資料映像などを提供させていただき、番組で使っていただくことになりました。
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この森で見られる外来種リス、どんな生き物か知るきっかけになるかと思います。
よろしければぜひご覧ください。

【放送情報】
ヴィランの言い分 『リス』
放送日:4月11日(土)午前10:30~午前11:00
放送局:NHK・Eテレ
※詳細は下記の番組公式サイトでも確認いただけます。

(文/写真 TK)

春の陽気となり、
ウグイスやヤマガラのさえずりがよく聞こえてくるようになりました。
そんな森の中で、温かな風が吹くと、どこからかフワッとたくあんのような香りを感じます。
私はその香りを嗅ぐと、春になったなぁと実感するのですが、その香りを放つ花を生態園で現在観察できます。

ヒサカキです。白い小さな花が列になって咲いています。
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ヒサカキはサカキと同じく神事で用いられる植物で、秋に成る黒い実は、野鳥に人気です。
漢字では姫榊と書き、神の字があてられています。

図鑑などを見るとよく悪臭とか都市ガスのにおいと表現されますが、咲いてから少し経ったからでしょうか、近づいてもその匂いはあまり感じません。それでもヒサカキに近づくと、あのたくあんのような香りが強く感じられます。

ヒサカキの花の時期は、大体3月から4月です。ちょうど春休みの時期とも重なります。
晴れた日に散策にいらして、どんな香りに感じるかをご自身の鼻で確かめてみてください。
感想をセンターに教えていただけたら嬉しいです。

写真・文 まえむー

参考文献:多田多恵子,身近な草木の実とタネハンドブック,文一総合出版,2010 

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