横浜自然観察の森 いきもののにぎわいのある森ブログ

                                 季節の生きものや風景のお話を、日本野鳥の会レンジャーが発信します!

カテゴリ: 植物のお話

冬に咲く花はそう多くありません。
この植物も冬に咲きます。サザンカです。
s-サザンカ
サザンカは一年中葉をつけている常緑の樹木で、古くから庭の生垣などに利用されてきました。
横浜自然観察の森でも何ヶ所か以前に植栽された場所があります。サザンカが明るい林(落葉樹林)で大きくなってしまうと地面(林床)を暗くし、そこを好む生きものが減ってしまいます。
そのため、自然観察の森では生きものがにぎわう明るい林を維持してくためこのような移入植物の除去を行っています。

今回、その活動の一端をモスバーガー共栄会神奈川支部の皆様にCSR活動としてご尽力いただきました。
作業場所は自然観察センター近くの生態園。コナラなどが生える明るい林です。
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(作業前にサザンカの前で集合写真)
皆さんの後ろに見える緑の塊がサザンカです。樹高は大人の背丈を超えています。

ペアを組んで作業スタート!
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剪定バサミやノコギリを使い、大きな枝をどんどん切っていきます。
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およそ40分間切り続けて・・・
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緑の塊は無くなり、林床に日が差し込み明るくなりました!今後、どんな生きものに出会えるか楽しみです。

切った枝は粗朶(そだ)柵に積んでいき、生きものが冬越しできる場所を作ります。
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最後は自然観察センター前で記念撮影!
皆さん達成感で溢れているご様子。
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このように企業の皆さんにもご協力いただきながら「いきもののにぎわいのある森づくり」を進めています。
ご協力いただいたモスバーガー共栄会神奈川支部の皆様、ありがとうございました。


文・写真:ロビン

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先日、霊園口の階段で見慣れない物を見つけました。
おそらく植物のタネだろうとは思ったのですが、思い当たりません。
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そこで友の会のプロジェクト「野草の調査と保護」の皆さんにもお聞きしてみました。
数日後、本で見た覚えがあると調べてくださった結果、ジャノヒゲかヤブランのタネだということが分かりました。
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ジャノヒゲの種子

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ヤブランの種子

その2種は普段から見慣れている野草ですが、タネを覆っている皮(種皮)の中がこのようになっていたとは、思いもしませんでした。

先月あたりから、林床でシロハラやアカハラをよく見かけるようになりました。
これらの実は彼らも食べるので、おそらく消化されずに吐き出したタネを私が見つけたのではないかと想像しています。
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アカハラ
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シロハラ

一つ発見が増えうれしくもあり、もっと深く探求しなくては、と思い知らされた出来事でした。

文・写真/かけした

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二十四節気で今日は「立春」。
季節がひとつ温かい季節に近づきました。

森の中はまだ、木の芽吹きは遠く、
地上も木の葉が目立ちます。

それでも落ち葉のあいまに、早春の花たちの小さな葉が。

ヒメウズ160107ミズキ8?掛下02
ゆるやかに切れ込んだ葉はヒメウズ。
今月中には小さく、白い可憐な花(右)を見せてくれます。

タチツボスミレ150404掛下02
ハートの葉っぱのタチツボスミレ。
3月から徐々に咲きはじめ、
薄紫の花(右)で道沿いを彩ります。

ツルカノコソウ160331タンポポ2掛下01
切れ込んだ葉と白い花の目立つツルカノコソウ(右)、
地面近くの葉は丸っこい形(左)です。
花は4月までお楽しみ。

寒空の下、
すこーしずつ開花の準備をしている植物たちに
ぜひ気づいてあげてください。


文 かなちん
写真 かなちん・かけした

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寒さが厳しくなってきた今日この頃、皆さまはいかが
お過ごしでしょうか?自然観察の森も大分朝の冷え込み
が強くなっています。

そんな中、先日出勤してきたレンジャーに
「朝、アオキの葉がみんな垂れていました。」と教えて
もらいました。早速見に行くと確かにどのアオキも葉が
垂れていました。
 垂れアオキ
冬以外にも水分不足で葉が垂れたアオキを見たことが
ありますが、ここまで園内中のアオキの葉が垂れている
のは初めて見ました。
アオキ以外にヤツデも垂れています。
 垂れヤツデ
その日の強い冷え込みも相まって、まるで木が寒くて
縮こまっているようでした。暖かくなれば元に戻る
かな?と思い、午後暖かくなってから見に行くと
昼アオキ
垂れていたアオキの葉が元に戻っていました。
 昼ヤツデ
ヤツデの葉も傘のように大きく開いています。

夏にこのような現象はほとんど記憶にないことから、
気温が低い時にこのような現象が起こるのでしょうか。
気温が低いとなぜこのようなことが起きるのか調べて
みましたが、残念ながら分かりませんでした。
土壌中の水分が凍ってしまい水分不足になるためかも
しれませんし、植物体の温度の低下を抑えるためかも
しれませんね。

冷え込んだ朝はこういったところも注目してみてください。

文・写真:アーリン

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去年の年末からずーっと晴れが続いていた森に久しぶりの雨が降りました。森にとっては恵みの雨。
小雨だったので、雨合羽を着て森の様子を見に行きましょう。s-s-IMG_1666
センターを出てすぐモンキチョウの広場の奥の方からたくさんの鳥の声が聞こえてきました。
逃げられないように忍び足で近づいてみると・・・
5羽のシジュウカラがそれぞれ枝を突いています。
枝の中にいる虫を探しているのでしょうか?
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「コンコン」「ポツポツ」と枝を突く音と雨音が聞こえます。観察していると突然下の枯れ草へ飛び移りました。
s-s-IMG_1657
と思ったらまた上の枝に飛び移り、突きます。
枝と枯れ草を行き来して何をしているのでしょうか?
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よーく見てみると突いていたのは枝ではなく草のタネでした。どうやらタネを取るために行き来していたようです。タネを足で抑えながら少しずつついばんでいます。

しばらくすると皆でどこかへ飛び去ってしまったので、食べていた草を確認してみると、キンミズヒキやヌスビトハギ、イノコヅチなどひっつき虫と呼ばれている草のタネでした。
他の生きものにひっついて運んでもらうひっつき虫は生きものたちにとって貴重な食べ物なんですね。

この時期、茶色く枯れているように見える草も生きもののためにあえて刈り残しています。
ぜひ皆さんも目を向けてみてください。


文・写真:ロビン

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